MRCP Part1

10月にMRCP Part1という試験を受けた。これは英国で内科医になるための一つ目の試験で、初期研修1年目〜中期研修終了の間に受けなければならない試験だ。

中期研修(便宜的にこう呼ぶ)はIMT1-3のことで、将来専攻したい科目によって2年(IMT1,2)または3年(IMT1,2,3)、研修をしなくてはならない

私は緩和ケア科を今のところは目指しているが、最近語学力や人間性の面で自信をなくしているので今後どうするかはまだわからず、IMT2年の科も一部検討しているので、MRCPは早いうちに受けたほうがいいだろうと10月に受験した(IMT2年の人たちは、MRCP Part1, Part2, PACESの3つの試験を2年以内に終わらせなければならないので、かなりハードなスケジュールだ)。

概要

医学部卒業してすぐ受験するのがよいと言われている。インターネットに転がっている情報やレジから直接聞いた情報をもとにすると、

  • だいたい3ヶ月の勉強が目安
  • ひたすら問題を解くべき
  • 教科書は読まない、必要があればGoogle検索で十分
  • 特にIMT2年の人たちは早めに取り掛かった方が良い

らしい。合格率は、IMGs(外国の医学部出身者)や医学部卒業から年数の経った人たちで40%前半くらい、英国の医学部卒で卒業から年数の経っていない人だちだと60%台という感じで、総合するとぎりぎり50%を切るくらいだ。

私のやったこと

前の勤務先がPass Medicineの費用を3ヶ月分負担してくれることになっていたので、転職前・試験の6ヶ月前にPass Medicineに登録したのだが、なかなか勉強に身が入らず1週間に1度、10ー30問くらい解くペースでだらだらと勉強していた。引っ越しや転職もあり全く勉強しない週も続いた。これはどうやって勉強すればいいのか?解くだけで本当に覚えられるのか?と勉強法に迷いもあった。

試験の3ヶ月前に自腹を切ってPass Medicine購読し、2ヶ月前から本気を出し始め、1日70ー100問のペースで問題を解き、試験2週間前にPass Medicineを1周した。

試験2週間前にPasTestを購読し、模試や過去問をやっていたのだが、このくらいから人生で起こった悪いことを反芻して悲観的になるなど精神的につらくなり(勉強は3ヶ月だったというレジに言われた「あらゆる娯楽を切り捨てて勉強すべき」という助言の通りの生活を、英国では天気が悪くなり寒くなる最悪の時期に続けていたので、それが良くなかったと思う)、勉強のペースが落ちてしまった。

試験1週間前には公式の問題集(誰でも登録できるので興味のある人は解いてみるといいかもしれない)も解いた。

PassMedicineは、チャットボックスがあって過去の受験生のコメントが残っているので、そこでゴロや雑談を目にできるところが良かった。まとめが簡潔なところ、安価なところ、YouTubeの良質な動画がリンクに載っているところは良かったが、重箱のすみ系の問題が多いように感じた。

PasTestは、模試が良いと評判のサイトのようだ。試験に高得点で合格した先輩に教えてもらって登録した。模試で合格点以上を取るのは少し自信になったが、まとめが長いところ、高額なところ、はPassMedicineと比べて欠点かもしれない。

Passmedicineをやっていると無限に覚えることが出てくるように思われるが、ずっと解いていると、繰り返す問題が多いことに気がつく。私は最初はメモをとっていなかったが、一向に覚えられないので、途中から付箋に要点を書いて部屋の壁に貼るようにしていた。すると覚えることが膨大で部屋中付箋だらけになりストレスの多い部屋になってしまった一方で、同じ内容の付箋が増えてきて問題の繰り返しに気がつくことができ、各付箋同士がリンクし始めて付箋に書ききれないまとめ事項も出てきたので、試験2ヶ月前くらいにルーズリーフに移行して、だいたい科目ごとに分けて、間違えたことだけを記載していた。

USMLE STEP1のFirst Aidを読んだのが役にたつなあと思う時が何度もあった(語呂合わせなど;First Aidそのものの画像は見つけられなかったがたとえばこの図は日本の国試の時からずっと役に経っている)。日本では馴染みのない遺伝疾患、感染症、なども、英米ではあまり違いなく学ぶようだ。

Pass Medicineは常にグレーのライン内、PasTestは常に足切りの1-2%上くらいの点だった。当日は医学部を卒業してから一度も見ていないような解剖の問題や問題集で重点を置かれて出てこなかった事項が出てきたりしたので、落ちたと思うのだが、要領が掴めたので次は受かるように勉強できると思う。合格した時に記事を書こうかと思ったが、今回落ちてもやることは同じでやることの期間が伸びるだけなので、勉強法に困惑した・日常に忙殺されてやる気の出なかった時期の記憶が残っているうちに記録しておこうと思う。

ある程度の詰め込みは必要だ、とアドバイスをくれたどのレジも言っていたのだが、計画性がないと私のように気持ちが追い詰められてしまうので、英米の医学試験に全く馴染みがない・日本の医学部卒業から時間が経っている人はコンスタントに勉強する期間を半年くらいは見ておくと心に余裕が出ていいかもしれない。私の反省点は、初めの方にだらだらと勉強して実質勉強期間が2ヶ月ほどだったことで、早めにPassMedicineを終わらせて2周するか、早めにPasTestに移行しておけば良かったなと思っている。

Author: しら雲

An expert of the apricot grove

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