家のことと困った時の頼みの綱 Citizens Advice

私はイギリスに来て3箇所の家に住んだ。1つ目は大学の学生寮(en-suiteでキッチンのみ共用)、2つ目は友達とのハウスシェア(キッチン、お風呂、トイレ共用)、3つ目は現在の病院寮(en-suiteでキッチンのみ共用)だ。トラブルが少なかったのは学生寮くらいで、ハウスシェアも病院寮も少なからずトラブルがあった。

そろそろ次の家に引っ越すので、これまでのトラブルや家探しのこと、引越しについて書こうと思う。

大家がひどい

イギリスの大家は契約者から不当にお金をむしり取ったり不法に追い出したりすることで知られているので契約時は心してほしい。病院勤務や大学生活が決まっている人は、個人契約よりも病院の寮や大学寮がおすすめだ。

オックスフォードで住んでいた家は、私の友人たちが9月に、私が少し遅れて10月に入居したのだが、「クリーニング済」のはずが、床に泥が落ちていたり、冷蔵庫の中に腐った食べ物が入っていたり、トイレが汚かったり、散々だったようだ。友人が几帳面に全て写真を撮ってくれていたおかげで、退去時に何かと文句をつけてデポジットを全額巻き上げようとした大家からはデポジットをほぼ全額回収することができた。また、クリーニングについて入居時の9月時点で交渉開始していたものの、実際に掃除の人が来たのは11月くらいで、到着時は私のハウスダストアレルギーがかつてなく悪化して心身共に不調だった。掃除の人がきた後も、少しかびくさい家だったので、1年にわたってなんとなく調子が悪くて、今の病院寮に移ってからは日中の眠気や倦怠感が劇的に改善した。

大家は塗装会社を経営する人でいつも秘書さんとやりとりしていたのだが、メールを3通くらい送ってやっと返事が返ってくるという感じで、家の中に侵入する蔦、開かない窓、水しか出ないシャワー、お風呂場の配線が切れたように思われる電気、バイクスタンドに放置された自転車の撤去、前住人の電気代未払い問題などについて交渉をするのが大変だった。

電力会社がひどい

イギリスの電力会社は最近よく潰れているようで、電力会社が潰れると日本のヤミ金業者みたいなのが利用者に取り立てにやってくる。私たちが引っ越した時は、Iglooという会社との契約だったのだが、Iglooにはその住所で既に(前住人との)契約が存在するとかで、私たちが新たなアカウントを開設して支払いをすることができず、Igloo側もそれを解決しないまま倒産してしまった。

倒産後はE.on Next に移って支払いも滞りなくできたのでそれはそれでよかったのだが、なんとIglooが住所のアカウントから未回収分の電気代についてヤミ金業者が取り立ての手紙を送ってきた。それが驚愕の額で、数ヶ月で使えるような電気代ではなかったので、こちらが外国人の学生たちだからと足元を見て不当な利息を吹っかけてきているのだろうと思った。

ヤミ金業者の手紙には日付があって、「この日付から1週間以内に支払せよ、さもなくば額がさらに膨れ上がり・・・になる」みたいな脅しが書かれているのだが、イギリスの郵便事情ではその日付から1週間以内に届くことは稀で(当時住んでいたオックスフォード市のマーストンという町では町長に立候補する人の選挙公約に「郵便事情を改善する」が挙がるほどだった)、届いた時点で既に支払い期限を過ぎているということが何度かあった(ヤミ金業者はしつこく請求書を送ってくる)。

困っているところを助けてくれたのが Citizens Adviceだ。生活で起こりうるあらゆる問題を網羅してくれていて、かつ無料で相談に乗ってくれる団体で、ここでアドバイスを受けて、Iglooの特定の役職の人とヤミ金業者の両方に、教えてもらった文言(忘れてしまったが特定の言い回しがある)で相手が開封したタイミングがわかるメールの機能をつけて連絡をした。

その後しばらく(数ヶ月にわたって)Iglooとヤミ金業者とやり取りをして、請求額が実は前住人の1年分の電気代だということが判明した。前住人は1年分も電気代を踏み倒して出て行ったみたいだ。

私たちはIglooと何度も支払いについて交渉していたので、その記録がメールで残っていて、それを元に請求は大家にするようヤミ金業者に説明をして(これも何度も何度もやり取りをして説明しないと理解してもらえなかった)、やっと責任が我々から大家に移ったのだが、先述のひどい大家なので一連のトラブル解決は結構大変だった。解決した時にはみんなでパブに行きビールでお祝いした。

ハウスシェアは、同居人と衛生観念や生活サイクルが合わないとストレスになってしまうこともあるが(病院寮では、私とインド出身のナースがキッチン清掃係のようになってしまっている)、こういう時にはみんなで対応できるのでその点は心強いかもしれない。

大家や電力会社にひどい目にあっている人は一度Citizens Adviceに相談するといいと思う。

Guarantor

英国で家を借りるときに、学生だとGuarantorという連帯保証人を要求されることがある。これは、英国在住の持ち家のある人でなくてはならない。

私がハウスシェアをした時には、4人全員の銀行口座を合わせて1年分の家賃を証明できたのでGuarantorなしで借りることができた。学生寮と病院寮はGuarantorを問われなかった。次に借りる家は、勤務先からの雇用証明書を提出することでGuarantorの提示を免れたのだが、内見した家のうち特に学生に人気だという家は、Guarantorがいなければ12ヶ月分一括で家賃を支払わなければ貸せない、と言われた。

借りたい家でGuarantorを求められたら、Guarantorなしで契約できる家もあるので、そこは諦めて、Guarantorの必要のない家を探すのがいいかもしれない。

Fire Alarm

イギリスは火災報知器の設置に厳しい。日本もそうなのかもしれないが、日本では火災報知器が存在を主張することがなかったので知らない。大学の学生寮では、毎週金曜日の決まった時間に火災報知器のテストがあったし、夜中の3時くらいにトーストを焦がした学生のせいで火災報知器がなり全員が起こされ屋外へ退去させられる、ということもあった。

今日は病院寮でも火災報知器がかなりの存在感を出していて、15時から21時半まで3階建ての建物に設置された各階9つの火災報知器が鳴り響いていた。メンテナンス会社に15時ごろから住民が変わるがわる連絡したのに全く当てにならなくて、大変だった。日本だと絶対にこんなことないのになあと日本が羨ましくなった。

家探し

イギリスの家は入居可能日からだいたい1ヶ月ー1週間前に広告が出ることが多い。RightmoveZooplaSpareroomあたりが家探しで有名なサイトで、地域によっては特定のサイトに広告が集中する。また、現地の大手不動産会社は自社のウェブサイトだけに広告を載せることもあるので、一応そういう会社がないかも調べておくといいと思う。

サイトに掲載されているCouncil Taxの区分、Energy Performance Certificatesや立地の他に私は、床の種類(カーペットだと臭うことがある)、水回りやキッチンの古さ、あたりを気にした。

メールで問い合わせると、返事がくる前に内見希望者のリストが埋まってしまうので、希望の物件はその場で電話する必要がある。不動産会社を直接訪れた時にそうアドバイスされたし、実際に電話すると内見の予約が取れることが多かった。

引越し

私はMan&Vanにお願いをした。調べたら個人経営も含めて色々な会社の見積もりが得られるので、そこで気に入ったところにするといいと思う。現住所に引っ越してくる時にお世話になった人は、雑だったし現金指定のところに少し怪しさを感じたが、タクシーより安いくらいの料金で引越しを手伝ってくれて気のいい地元のおじさんだった。

持ち物が少なくて段ボールだけというような人はタクシーでも引っ越せると思う。

Author: しら雲

An expert of the apricot grove

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