初めて定時で帰宅した!いつもの晩酌だが今日はお祝いの意味合いがこもっている。
今朝は横の病棟(Ward 4)で人手が足りないということで助っ人で初めてWard4に行った。経緯はともかく、Ward 7を離れてみて本当に良かったなと思う。
イギリスの研修はかなりコンサルタント(指導医レベル)とレジストラ(後期研修医でコンサルタント未満)に依存して満足度が変わるなあと思う。Ward 7では、2名のコンサルタントに師事していたのだが、いずれの場合も、私は研修医というより秘書だと感じた。コンサルタントの言うことをカルテに書いて、言われた通りに検査オーダーを組み書類を作る作業には医師である必要性を感じず、Physicians Associatesが誕生した経緯がわかった気がした。Ward 4では、研修医がまず回診をしてその後コンサルタントと不安な人だけ時間をかけて・安定した人はサッと一緒に回るというようなシステムで、研修医が患者さんと話す・診察する機会があるのはもちろん、回診も非常に教育的で、素晴らしかった。私が日本で受けた研修みたいだ。
回診で患者さんの一人が”Hello, Ladies!”と陽気に挨拶したのにコンサルタントが”We are doctors.”と返したのが別に他意はないと思うのだが面白くてちょっと笑ってしまった。この患者さんの最初の一言は”Am I dead yet?”でそれも笑ってしまった。
初めて急変も担当した。1年目研修医の一人が担当する部屋で声掛けに起きない患者さんがいるということで助けを呼ばれたので一緒に精査をした。さすがに1年目よりは知識があるし週末のALSでABCDEのアセスメントも英語でやるのに自信がついていたので落ち着いてできたと思う。結局一番疑わしいのは昨日から始まったクロルフェニラミン1日4回の注射だったので大した急変ではないのだが、それでもこの1週間ずっと研修医というより秘書だと感じていたので、やっと少し研修医らしいことができて嬉しく思ったし、自分は頼られる立場なのだと自覚して、外国人だとかNHSに来たばかりだとか甘えていられないなと思った。
今日は内視鏡のオーダーを初めてやった。黄色い紙と赤い紙があって、前者が安定した患者さん、後者が吐血・下血のある患者さんのオーダー用だそうなのだが、知らなくて黄色で書いたので再提出となった。オーダーは全部パソコンでやるのに内視鏡だけは紙でやりとりするらしい。診療アプリ20個では研修医を苦しめるための複雑さが足りなかったようだ。
研修医仲間もWard 7はちょっととげとげしい人が何人かいるけれど(私と同じで仕事に精一杯なだけかもしれないけど)Ward 4はおっとりした人が多くて自分らしくいられるのでなんで初めにWard 7を選んでしまったのかと後悔の嵐である。来週からはWard 4に行くと言い張ろうと思った。
研修医のストだが現状9月に前倒しが予定されているらしい。ビザの問題がなさそうなら私も参加したい。この20年で給料が30%減少しているらしい。多分今の給与だと税金や年金を抜くと月2000ポンドくらい自由になるお金があり、これは多分(今円安なのもあるけど)日本の研修医と同じくらいなので、イギリスの研修医は20年前は給与が高かったのだなとそちらの方が驚きだ。仕事量は間違いなく20年前より多いのでちょっと割りに合わないと感じる人がたくさんいるのも、まだ働いて1週間だがよくわかる。
時間外労働を申請するアプリがあるのだが、それを使って時間外労働を申請しても大抵の場合無視されるし、病院や科によっては「あいつ時間外労働申請したんだって」という感じのことを上司に言われて肩身の狭い思いをするそうで、空気を読んで時間外労働を申請しない研修医が大多数らしい。同じことを別の病院の内科系後期研修医からも聞いたし、その研修医は「時間外労働申請すると、あなたの仕事効率が悪いとか無能だとか責められるので余計に辛くなる」「時間外申請よりも科の研修医全員で1ヶ月の退勤時間を記録した表を提出して仕事量の見直しを迫る方が効果的」と言っていた。空気を読んで本来使えるはずの制度を使えないイギリスの研修医たち(使っても無駄という諦めもあるかもしれないけど)、ちょっと日本人みたいだ。
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